事例番号090
工事名:曽於市防災情報システム河川等監視機能構築業務
工事期間:2022年5月~9月
鹿児島県東部に位置し、台風やゲリラ豪雨の常襲地域として知られる曽於市。農業や畜産業を基幹産業とする曽於市では市内に多数の畑地や水田が点在しており、氾濫のたびに農地や農業施設・人家などが甚大な被害を受けてきました。
今回、河川氾濫の兆候をとらえ、迅速な防災行動へとつなげることを目的に、市内7か所に「クラウド型防災監視カメラeT001s」を設置。大淀川や溝之口川など、過去に氾濫被害のあった河川を10分間隔で撮影し、画像は監視画面から確認できるようになっています。加えて曽於市様からの要望により、画像にはバーチャル量水標※を組み込みました。大雨のなか現場に足を運ぶという危険を冒すことなく、画像と数値による河川情報の収集が可能となりました。
※バーチャル量水標…カメラが取得した画像上に疑似的な量水標(目盛り)を表示し、視覚と具体的な数値で水位を確認できる仕組み
LTE回線を利用して撮影画像をクラウドサーバーへ伝送し、市の防災担当者向けの「管理クラウド」、一般公開向けの「市民公開クラウド」に表示。管理クラウドでは静止画だけでなく、1日分の画像をまとめたタイムラプス動画も確認できます。水位変化のスピードなどを正確に把握できるほか、ダウンロードして記録資料として活用することも可能です。
「静止画とあわせてバーチャル量水標により定量的な状況判断も行えるため、情報共有時の指標として役立っています。国土交通省認可基準のカメラを採用していることや、構築実績が豊富なシステムであること、そして担当者の知見も広く細かな仕様調整に柔軟に対応していただけたことなどから、安心して設計・構築をお任せすることができました」(曽於市・ご担当者様)
水位監視の精度を高める「バーチャル量水標」の導入