雪国対応の太陽光発電設備実証実験(垂直型太陽光パネル)
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- 電気設備
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- ソーラー発電設備
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実証期間:2023年5月~2024年3月
プロジェクト概要
2050年までのカーボンニュートラル実現を目指し、新潟県長岡市がエネルギー政策の基本方針などをまとめた「カーボンニュートラルチャレンジ戦略2050」。重点施策の一つとして定められた「再生可能エネルギーの日常的な利用」を推進すべく、現在市は様々な取り組みを行っています。
再生可能エネルギーの代表格として各地で導入が進む太陽光発電システムですが、新潟県をはじめとする豪雪地帯では「パネルに雪が積もると発電できない」「雪の重みで設備が壊れる」などの懸念から、普及率の低さが課題となっています。長岡市はその課題をクリアするため、「太陽光パネル設置に関する技術提案」として雪国の環境に適した設置案を募集。イートラストを含む市内3事業者と長岡技術科学大学が提案を行い、集まったアイデアは「雪国対応の太陽光発電設備実証実験」計画としてまとめられました。
この計画は「令和6年度エネルギー構造高度化・転換理解促進事業」(実施:東北経済産業局)に採択され、各社提案の耐雪策が施された太陽光発電システムが現在市内各所で稼働しています。
施工概要
当社はこちらで紹介した角度可変型太陽光発電システムに加えて、建物の外壁や窓に垂直に取り付けることで積雪を防ぐ垂直型ソーラーパネルを提案・施工しました。市内4施設に垂直型パネルを設置し、現場の特性に合わせて強風や塩害への対策、軽量型ソーラーパネルの採用などの工夫を行っています。
各施設ごとの発電量の実績は長岡市のホームページにて毎月公表されています。施工方法や発電データに関する情報を収集・分析しながら、風雪の厳しい環境下における発電効率低下を防ぐための課題の洗い出しなどが進められています。
<参考リンク>
長岡市ホームページ「雪国対応の太陽光発電実証実験」
実験の概要やパネル設置箇所マップ、発電量の実績などが紹介されています。
https://www.city.nagaoka.niigata.jp/energy/solar-power.html
ポイント
積雪地域に適応した垂直型太陽光パネルを設置
雪国における太陽光パネルの効果的な設置方法や有効性の検証に尽力

ガラス板2枚でソーラーパネルを挟み込んだ窓面一体型パネルを設置。当社は施工サポートに加えて、発電した電気の遠隔監視システムの構築を担当しました。

海に面した施設のため塩害対策が施された金具やフレームを採用。天候によって変動する電力が生物に影響を及ぼさないよう、発電した電気は飼育機器以外の設備(照明など)に使用されています。

建物南側の壁面にパネル26枚を設置し、9kW/時の発電能力を備えた発電システムを構築しました。壁に掛けて設置する形式の軽量型パネルを採用しています。

特に積雪の多い場所であることから、軽量型パネルを設置したうえで、積雪が設備に与える影響や発電効率の検証が進められています。