事例番号0074
案件名:藤枝市水位・雨量観測システム
工期:2017年12月~2018年3月
静岡県藤枝市には、市内のほぼ全域をカバーするLPWA通信網(LoRaWAN™)が敷設されています。藤枝市とソフトバンクの提携によって構築されたこの通信網は「エコシステム型IoTプラットフォーム」と呼ばれ、「IoT(LPWA)プラットフォームを活用した実証実験事業(公共テーマ型)」のフィールドとして市内外の企業に利用されています。2017年7月から当社もこの実証実験に参加し、同年12月に市内4ヵ所に設置した水位計や雨量計を用いて河川の状況を監視するシステムを開発しました。その後約1カ月にわたる実証実験を経てその成果が認められ、翌年1月に正式に実用化へと至りました。現在は計測機器の設置箇所を市内の川10ヵ所まで増やし、本格稼働しています。水害の発生に備えて藤枝市が導入したこのシステムは、河川監視にIoTを取り入れた国内初の事例として注目を集めています。5月に開催された藤枝市ICTコンソーシアム総会では当社のプロジェクト担当者が登壇し、一連の実証実験の成果報告を行いました。また、市民向けパンフレットの作成や藤枝市水防訓練会場でのシステムご紹介など、藤枝市民のみなさまへ向けたPR活動もサポートしています。
現在、市内の河川8ヵ所に水位計、2ヵ所に雨量計を設置し10分間隔で水位の計測を行っています。水位計は電波式と超音波式の2種類を導入し、設置地点ごとに適した水位計を採用しました。また地形の問題から藤枝市のネットワーク網ではカバーしきれないエリアが存在したため、そのエリアでは当社が独自のLoRaWAN™を構築し、藤枝市が構築したLoRaWAN™へと接続しています。計測したデータはLoRaWAN™を通じてクラウドサーバーへ伝送され、Webサイト上で一般公開されています。このサイトはQRコードからもアクセス可能なため、インターネット環境さえあれば誰でも簡単に河川の様子を確認できるようになっています。
・実証実験の成果が認められて正式に採用・実用化された
・当社が独自のLoRaWAN™を構築
・24時間10分間隔のデータ計測により、リアルタイムで水位の変化を把握
・PCやスマートフォンからの簡単なデータ確認が可能