事例番号92
工事名:令和3年度クマ出没把握・追い払いモデル実証
実証期間:2021年8月~2024月3月
市街地におけるクマの出没が頻発し大きな問題となった2023年。人身被害の発生件数は統計が始まった2006年以降最多となり、各県は特別警報や注意報を発令するなど対応に追われました。出没数増加の背景には、餌となる木の実の不作や耕作放棄地の増加に伴う生息域の拡大など、複数の要因が指摘されています。
新潟県は対策の一環として、ICT技術を活用したクマの出没把握・追い払いシステムの導入に着手。当社は長岡技術科学大学、長岡工業高等専門学校と共に画像解析AIを活用したシステムを提案、プロポーザル事業として採択されました。「カメラに写った動物を解析し、クマだった場合のみ警報を鳴らして追い払う」というユニークなこのシステムは、動物監視分野にAIを取り入れた当社初の試みとなり、2023年度は県内10か所に設置されました。また、さらにクマ以外の動物(イノシシ、シカ等)も含めた対象物の検知精度向上を目指したAI画像学習が続けられています。
人感センサーが動く物体を検知すると、エッジAIカメラ(夜間は赤外線カメラ)が自動で撮影を実施。被写体がクマであるかどうかの判定を画像解析AIが行い、クマと判定されれば追い払い用の警報ライトが鳴動します。
動物の検知・撮影・解析・追い払いまでを自動で行い、
市街地へのクマの侵入を防ぐ仕組みを無人化することで被害防止に貢献